第15章 一家そろって頭がおかしい

その場が、ふっと音を失った。

誰もが息を止め、視線の先にある光景を見つめる。

黒谷優の顔色がさっと変わる。

「楓花、それはママのために作ったんだろ。おまえ、何を――」

「ママはプレゼントなんて困ってないもん!」

楓花は胸を張って言い放った。澄んだ声が芝生の上にぱん、と響く。

「それにママ、いつも私のプレゼント捨てるじゃん! 大事にしてくれるのはおばちゃんだけ! おばちゃんは病気なんだよ。ママより、おばちゃんのほうがこのお花、必要なの!」

佐藤詩乃は口元を押さえ、信じられないという顔で花を受け取った。目尻には涙がにじむ。

「ありがとう、楓花……おばちゃん、ほんとに嬉しい。……姉...

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